絵本:さんたくんとお菓子職人

絵本:さんたくんとお菓子職人

 

01

 

さんたくん
『ぼくはさんたくん去年サンタ学校の卒業
試験に合格したんだ。
今年もたくさんの子どもに喜んでもらえる
プレゼントを贈るぞ〜』


 

02

 

さんたくん
『あっ、まずい!?プレゼントをおとしちゃった〜』


 

03

 

お姉さん
『あれ、なんだろう?これは落し物かな?』

 

さんたくん
『あっ、お姉さんが拾ってくれたぞ。』


 

04

 

お姉さん
『あっ、これ君の落し物?はい。』

 

さんたくん
『ありがとう。とても助かったよ。』


 

05

 

さんたくん
『よし、プレゼントも戻ったし、はりきって行くぞ〜!あれ?お姉さんなんだか思い悩んだ顔をしているな〜どうしたんだろう??』

 

お姉さん
『はぁ〜今日も怒られちゃった…パティシエになりたいけど才能ないのかな…もう諦めようかな…』


 

06

 

さんたくん
『そっか〜、パティシエになりたいけどなかなかうまくいかなくて悩んでいるのか。
プレゼント拾ってくれて助けられたし、僕もあのお姉さんになにかプレゼントしたいな。何にしよう…そうだあれにしよう!』


 

07

 

さんたくん
『よし、呪文を唱えよう♪ウコイヘイカセノメユ〜☆』

 

お姉さん
『ん??なんだか眠くなってきたな〜ZZZ』


 

08

 

さんたくん  
『やあ。さっきはプレゼント拾ってくれてありがとう。』

 

お姉さん
『あっ、さっきの子?ここは??』


 

09

 

さんたくん
『ここは夢の世界。あそこにいるのは昔のお姉さんだよ。』  

 

お姉さん
『えっ!?どういうこと??』


 

10

 

さんたくん
『お菓子屋さんでお菓子を見ているね。』

 

お姉さん
『そうなの。あそこのお菓子がとてもおいしそうで子どもの頃いつも見ていたの。
でも、うちは貧しくてなかなかお菓子を買ってもらえなかったな〜』


 

11

 

さんたくん
『お買物しているのかな?よくお手伝いをしていたんだね。』

 

お姉さん
『なかなかお菓子を買ってもらえなかったから、一生懸命お手伝いなんかしてお金を貯めたの。
でもね、もらえるおこずかいは少しだけだったから時間かかったな〜』


 

12

 

さんたくん
『あきらめずに頑張ってお手伝いしているね。』

 

お姉さん
『うん。どうしても食べたかったからね。がんばり屋だったんだな〜昔は…』


 

13

 

さんたくん
『あっお金貯まったみたいだね。』 

 

お姉さん
『ホントだ。あの時は嬉しかったな〜これでやっとお菓子が食べられるって!』


 

14

 

お姉さん 
『う…あれ!?なんか変な夢見てたな…なんだったんだろう??』

 

さんたくん
『あっ起きちゃったよ〜まだ起きちゃダメなのに!!』


 

15

 

さんたくん 
『よし!もう一度呪文を唱えよう♪ウコイヘイカセノメユ〜☆』

 

お姉さん
『あれ!?また眠くなってきたよ…ZZZ』


 

16

 

さんたくん
『やあ、おかえり!』

 

お姉さん
『あっ、さっきの子だ。これは夢の世界の続き??』

 

さんたくん
『そう。夢の続きだよ☆』


 

17

 

さんたくん 
『お金が貯まっていよいよお菓子を買いに行くところだね。』

 

お姉さん
『そうね。この時は本当に嬉しかったな〜やっと食べられるって。』


 

18

 

さんたくん 
『あれ、なんか小さな子どもにお金を渡しているよ。』

 

お姉さん
『なんでだっけ??あーそうだ、小さな子どもがお母さんにお使い頼まれたのにお金を落としてしまって、泣いていたんだっけ。
なんか可哀そうだったからお金をわたしちゃったんだ…』


 

19

 

さんたくん 
『なんだか悲しそうだね。』

 

お姉さん
『悲しかったよ〜だって、たくさんお手伝いしてやっとお菓子食べられると思っていたから。
だから、またお菓子屋さんでお菓子を見るだけになっちゃったんだ。』


 

20

 

さんたくん 
『お菓子屋さんから誰か出てきたよ。お菓子職人のおばさん??んっ!?さっきの子どももいるね。』

 

お姉さん
『そうだ!さっきの子どもがお菓子職人のおばさんの子どもだったの。それで、お金を返してくれて…』


 

21

 

さんたくん
『あれ、なんか貰ってるね。』

 

お姉さん
『そう!お礼にって言ってお菓子をくれたの!!とても嬉しかったな〜やっと食べられるって!』


 

22

 

さんたくん 
『とても嬉しそうに食べているね。』

 

お姉さん
『うん!すごーく美味しくて。なんか幸せの味だったな〜そして、思ったの、自分もこんなに美味しいお菓子を作って、それを食べてくれた人たちが幸せを感じてくれたらなーって。どうしてもお菓子職人になりたいって。』


 

23

 

さんたくん 
『そっかー☆これで夢の世界はおしまい!がんばってね!ばいばい〜』

 

お姉さん
『えっ!?なになに??ちょっと待ってよー』


 

24

 

お姉さん
『変な夢見てたな〜なんだったんだろう??でも思い出した!お菓子職人になって、たくさんの人に幸せの味を届けたいってことを。
よーし頑張るぞ!!』


 

25

 

今回さんたくんがプレゼントしたのは、夢を諦めない力でした。その後、お姉さんは立派なお菓子職人になり、たくさんの人たちに幸せの味を届けたとさ。

 

おしまい☆